Episode 007
アラサーになった男性は携わってきた開発系の仕事に疲弊していた。
膨大な仕事量に追われ遅い時間まで帰れない日々。
とある月曜日の朝のこと。
珍しくスマートフォンのアラームが鳴り狂う前に目覚めた男性は自身の体の異変に気づく。
まぶたを開くのがやっとの状態で全身が鉛で覆われたかのように重い。
薄暗い寝室で不安な気分だけが増幅していく。
やっとの思いでスマートフォンに手を伸ばすと画面の強い光が眼球にチカッと刺さるような痛みに近い刺激を与えた。
時間を確認しようと目を細める男性。
午前4時 。。。ため息が漏れる。
と同時に脳裏をよぎったのは半信半疑でメールだけの関係を続けている女将のこと。
おもむろに男性は想った。
女将に会いに行こう。。。
むちむちの身体に癒され活力を享受しよう。。。
いつものように妄想して自慰にふけるのではなく、
やわらかな唇を
たわわな乳房を
餅のような尻を
女将の豊満な肉体
女将の妖艶な体温
女将の淫靡な体匂
すべてを直に感じながら愛撫したい。。。
けれど女将の住む場所は偶然という糸でつながっている者にしか辿り着けない。
男性は自分自身にも可能性はあるのだろうかと悶々と考える。
そんな想いを無情なアラームが時を切り裂くように叫び狂いだした。
悪魔のような絶叫を画面タッチで息の根を止め、男性は女将に朝のメッセージを送った。